顔にできるブツブツまとめ|治らない白い粒や茶色いイボの正体と治療法(稗粒腫・脂腺増殖症など)

皮膚のできもの

『消えると思って放っていたけどずっとあるんです』
『これってなんですか?』
カウンセリングのときによく聞かれます。

顔のブツブツの正体は何なのか、どんな治療方法があるのかチェックしてみましょう。

顔によくできるブツブツの種類と治療

美容皮膚科のカウンセリングでよく聞かれる顔の『これ、なんですか』TOP5!!
(私の個人的な体感によるランキングです💦)

稗粒腫(はいりゅうしゅ/ひりゅうしゅ)

稗粒腫とは

1~2mmの白いプツプツしたできもので目周りによくできます。
通常1~15個程度の方が多いです。
表皮という皮膚の一番外側の層のすぐ下に白色の角質の塊がいる状態。

治療

切開法
針で表面を傷つけて、面圧という皮膚科の器具で中身を押し出す方法。
保険で処置可能なクリニックもある。再発リスクあり。

料金
1,000~4,000円/個くらいのところが多い(個数による、美容診療の場合)
220~440円(保険適応があった場合:3割負担)
あつた皮ふ科美容皮膚科クリニックでは保険での切除を行っておりません!!受診をお考えの方はご注意ください。

脂腺増殖症

脂腺増殖症とは

皮脂を分泌する脂腺が増殖したデキモノで、白~黄色で、よく見るとぶどうの房みたいな小さい粒が集まっている様に見えます。
5mm前後で、中央の凹みがあるのが特徴で、年齢とともに増えていきます。

治療

レーザー(Co2レーザーやエルビウムYAGレーザー)
手術や凍結療法なども試されていますが、傷あとや色素沈着なども考慮すると見た目を気にして取る場合、レーザー治療がよく用いられます。
皮脂腺を完全に取り除く必要がありますが、傷跡とのバランスを考慮してとることが多いため、細胞が残り再発が多いです。

料金:数千円/個のところが多い

イソトレチノイン
ニキビの治療薬として用いられ、皮脂を強力におさえる働きがあります。脂腺増殖症の多発例には用いられることがあり、有効です。
ただし、中止すると再発します。

料金:10,000~15,000円程度/月

シングルニードルRF
最新の機器による治療のため症例の報告は少ないですが、現時点でわかる範囲では効果が高いといえます。また、再発率も低いことが期待されます。(45名の患者を対象にした研究では2~3回の治療で44名で90%以上の退縮を認め6ヶ月の経過で再発は1名(5)

料金:22,000円/20ショット(ポテンツァ|あつた皮ふ科美容皮膚科クリニックの場合)

アビクリア
AviClear(アビクリア/1726nm ロングパルスレーザー)はニキビ治療に用いられる機械ですが、皮脂腺を選択的に熱損傷して皮脂を減らす作用があり、理論上は脂腺増殖症にも改善効果が期待できます。臨床レベルでの症例報告は散見されており、今後さらにデータが集まることが期待されます。

料金:44,000円(Sパーツ単回料金|あつた皮ふ科美容皮膚科クリニックの場合)
ニードルRFやアビクリアなどの治療は、脂腺増殖症に対して傷あとを残しにくく、再発のリスクも少ないと考えられています。従来のCO₂レーザーなどに比べても、より良い治療効果が得られると期待しています!

脂漏性角化症(老人性いぼ)

脂漏性角化症とは

年齢とともに増える、角化細胞からできるデキモノです。
体のどこにでもできて、大きさも大小さまざまです。

治療

レーザー治療(Co2レーザー/エルビウムYAGレーザー)
傷跡が目立ちにくく、1回で取り切れることがほとんどなのでおすすめです。
1周間程度の絆創膏処置と数ヶ月の赤みやくすみが残る可能性があります。

料金:数千円~数万円(大きさによる)

液体窒素凍結療法
保険適応がありますが、取り残し、色むらや深刻な色素沈着、瘢痕などのリスクがあるため、とくに顔の場合はおすすめできません!

料金:数百円~1,000円(保険適応あり、3割負担の場合)

汗管腫

汗管腫とは

汗腺の細胞が増殖したデキモノです。1mm未満の事が多いですが癒合して大きくなることもあります。色は肌の色と同じです。
女性に多く、目の周りに良くできます。

治療

レーザー(Co2レーザー、エルビウムYAGレーザー)
最もよく用いられる治療はレーザーで表面の出ているところを削ってしまう治療方法です。浅めに削ることで瘢痕を残す可能性は低く、一時的になくなりますが、再発はします。

料金:数千円/個のところが多い。

ニードルRF
近年ニードルRFを用いた治療が行われており良い結果が得られたという報告が多数あります。特にレーザーと比較して傷跡ができず、ダウンタイムも数日、というのが利点です。複数回の治療で少しずつ小さくしていく治療となります。
新しい治療なので長期的な再発に関しては十分に検証されていません(1~2年の追跡で再発なし、との報告は複数あり)。

料金:22,000円/20ショット(ポテンツァ|あつた皮ふ科美容皮膚科クリニックの場合)
あつた皮ふ科美容皮膚科クリニックでもポテンツァ(Aチップ)という機械を用いて汗管腫の治療していますが、2~3回の治療で多くの方で満足の得られる結果がでていますよ✨️

扁平疣贅(へんぺいゆうぜい/ウイルス性いぼの一種)

扁平疣贅とは

ウイルス感染によるもので、若い女性によくできます。脂漏性角化症と比較すると1つ1つは小さくて、盛り上がりもあまりありません。引っかきなどで広がるので、線状に広がったものを見ることがあります。自然消退しますが、年単位で続くことがあるため見た目が気になる場合治療をします。

治療

ヨクイニン内服
ウイルス性いぼに用いられる飲み薬です。免疫を活性化させる効果があります。効果は弱めで補助的ですが、そもそも扁平疣贅は自然にいつか治っていくものなので、日本においては実は最も処方されるお薬かもしれません。保険適応があります。

料金:約800~900円(保険適応あり、3割負担の場合)

レーザー治療(Co2レーザー、エルビウムYAGレーザー)
局所療法において、顔の場合、傷跡や色素沈着を残さずキレイにとることを考慮すると、レーザー治療が好ましいです。

料金:数千円/個のところが多い

見分け方のポイント

3つの質問で簡単!👆️
自分のデキモノはどれなのか、ざっくり見てみましょう!!

Q1. 色は?

  • 白~黄白色 → Q2へ

  • 肌色~やや盛り上がり → Q3へ

  • 茶色~黒っぽい → 脂漏性角化症

  • 平らで複数、肌色〜茶色 → 扁平疣贅


Q2. 白〜黄白色のブツブツ

  • 硬くて小さい粒、目の周りに多い → 稗粒腫

  • 中心が少し凹んだ黄白色の盛り上がり → 脂腺増殖症


Q3. 肌色〜半透明の盛り上がり

  • 特に目の下に多い、米粒大の粒がたくさん → 汗管腫

まとめ

顔のブツブツはニキビ以外も結構あります!
長く残るものは皮膚科で診察してもらうのが安心。
治療もできるので、ぜひこの記事を参考にクリニックを探してみてね!!

\名古屋市最大級の皮膚科クリニックがいつもそばできれいな肌をサポートします/

執筆・監修者紹介

執筆者 鷲見侑里子

【執筆】

医師 鷲見 侑里子
藤田医科大学医学部卒業
美容皮膚科医として10年以上の経験。
最新の知見に基づき、美容医療をわかりやすく解説します。

監修者 佐々木良輔

【監修】

院長 佐々木 良輔
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
あつた皮ふ科・美容皮膚科クリニック理事長。
専門的な視点から内容を監修しています。

参考文献

1.)清水宏.『新しい皮膚科学』.中山書店,2018

2.)Farci F, Rapini RP. Sebaceous Hyperplasia. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025 Jan-. Last updated September 4, 2023. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK562148/

3.)Choi JH, Cho SB. Syringoma. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025 Jan–. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK603740/

4.)Bae JY, Choi JE, Lee SE, Kim JH, Park EJ, Kim KH, et al. Comparison of micro-insulated needle radiofrequency and carbon dioxide laser ablation for the treatment of syringomas. Dermatol Surg. 2019;45(4):511-518. doi:10.1097/DSS.0000000000001697.

5)Lin S, Lin Y, Wu X, Wu X. Evaluation of the efficacy and safety of single-needle radiofrequency in patients with facial sebaceous hyperplasia. Lasers Surg Med. 2025;57(1):121-128. doi:10.1002/lsm.23715. PMID: 40995817

タイトルとURLをコピーしました