【医師監修】シミ治療のすべて|種類・原因・効果的な治療法を徹底解説

シミ

美容医療に初めて興味を持つきっかけは「しみ」が一番多いと思います。

透明感がある肌であれば、シワやたるみが多少あっても男女関係なく清潔感があって年相応にキレイに見えたりします✨️

できれば厚化粧でしみを隠すなんてしたくない!
そんな思いがある方はぜひ、目をそらさずシミについて一緒に勉強しましょ❤

あなたのシミについて簡単な質問に答えてシミの種類と治療方法を調べてみましょう!

シミ診断

シミとは?種類と原因を知ろう

シミの中にも色んな種類があるのはご存知?
原因や治療方法が異なるので知っておきましょう!

日光黒子(老人性色素斑)

いわゆる皆さんがイメージするシミです。
原因はズバリ加齢紫外線による肌ストレス。
顔の他に手にも良くできます。
大きさは様々、茶色く平坦、線が引けるようにはっきりとした境界があります。

肝斑

30代~出現する両頬の高い位置や額、鼻の下などに左右対称に出るのが特徴的です。
原因は女性ホルモンと紫外線、摩擦刺激です。(女性に多い!)
ぼんやりジミと言われ、境界がはっきりせず、比較的大きく地図状に広がる、と表現されたりします。

そばかす(雀卵斑)

幼稚園~小学生くらいで出現します。20代くらいまで増えます。
原因は遺伝的な要因があり、紫外線などで濃くなります。
両頬を中心に5mm程度の細かい茶色の斑点がたくさん散らばって出ます。
鼻の上にあるのも特徴。

炎症後色素沈着(ニキビ跡など)


(首のレーザー後の色素沈着)

軽いやけどの跡などをイメージすると分かりやすいです。
何らかの強い炎症があったあとに一時的にでいるシミです。
放っておけば治るものがほとんどですが、長期的な慢性炎症が起こると治りづらいこともあります。

シミ治療の基本は大きく2つ

内服・外用(飲み薬や塗り薬)

まずはなんとか自分で手軽に治らないかな~って思いますよね!
ゆっくりだけど飲み薬、塗り薬だけで薄くなってくれるシミもあります👍️
ただ、シミの種類によってほぼ改善しない場合もあるので、最初にきちんと診断してくれる医師に相談してから治療開始しましょう。

レーザーや光治療(美容皮膚科で行う施術)

美容皮膚科で行う治療はシミの種類別に何種類もあり、その中から最適な治療を選ぶことから始まります。
この選択を誤ると悪化したり、自分の思っていた効果と違ったりするので、とても重要です。

皮膚科でよく使われる内服・外用薬

トラネキサム酸

トラネキサム酸は肝斑に効果が高い成分です。飲み薬・塗り薬、両方の効果が高いことが分かっています。効果が出る期間は3ヶ月~1年くらいといわれます。他に炎症後色素沈着にも効果があるのではないかと言われています。

ビタミンC(アスコルビン酸)

美白成分として飲み薬、塗り薬、点滴などがあります。
抗酸化作用やメラニン生成抑制作用などにより肌全体のくすみを取り、色素沈着に有効です。

ビタミンE(トコフェロール)

酸化ストレスの軽減作用などがあり、飲み薬がよく処方されます。

Lーシステイン

メラニン生成抑制作用があり、美白剤として飲み薬がよく処方されます。

ハイドロキノン

ハイドロキノンは肌の漂白剤と言われ、美容皮膚科ではおなじみの美白剤クリームです。クリニックで使用されるのは4%以上が多く、コスメに入っているものはもっと薄いもが多いです。
ハイドロキノンは効果が高い反面、肌荒れを起こすケースや、長期使用による白抜けなどが問題となることもあります。ですので、高濃度の4%以上は医療機関でのみ取扱となっています。使用する際はよく注意点を聞いて慎重に使用しましょう。

トレチノイン・レチノール

ビタミンAのカテゴリーに入る成分のクリームです。コスメに良く使用される刺激をマイルドにしたものや、刺激がやや強めで即効性を求める場合一時的に使用されるものなど、種類がいくつかあります。
トレチノインとハイドロキノンは美容皮膚科ではよく組み合わせて使用され、肝斑、色素沈着はもちろん、上手くいけば日光黒子にも一定の効果が得られます。

その他

実は世の中にはめちゃくちゃたくさんの美白成分というのが研究開発されています。
上記は本当に一部でよく使用されるもの。その他にも、説明しきれないくらい色々な成分がたくさん試されており、効果も実証されています。そのくらい皆さん美白に一生懸命で、日進月歩なのですね。

代表的なシミのレーザー・光治療

まず最初に比較表をご紹介

クリニックでのシミ治療 比較表

治療名 向いているお悩み メリット 注意点
ピコレーザー 薄いシミ 副作用が少ない 濃いシミは残ることも
Qスイッチレーザー 濃いシミ・あざ しっかり取れる 赤みや炎症が出やすい
IPL(フォトフェイシャル) くすみ・肌全体のトーンアップ ダウンタイムが少ない 効果がゆっくりで回数が必要
ニードルRF 肝斑・肌のハリ 肝斑に効果が高い 合わないタイプの肝斑もある
ケミカルピーリング くすみ・肝斑・ニキビ跡 肌にやさしい 効果がゆるやか
導入治療(イオン導入・エレクトロポレーション) 肝斑・くすみ・乾燥 肌にうるおいを与える シミには単独で効果が弱い

ピコレーザー

ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒)という短い時間いにレーザーを打つよ!っていうレーザーです。従来のQスイッチレーザーよりも副作用が少ないというメリットがあると言われます。

機械によって波長が異なり、それにより用途が異なります。また、肝斑やくすみに有効なモードや毛穴やハリに効果があるモード(スポット以外にピコトーニングやピコフラクショナルなど)が選択可能な機械もあります。

メリット:副作用が少ない、薄いシミ効く
デメリット:濃いシミや厚みがあるタイプのシミは苦手(取り切れない)

Qスイッチレーザー

シミ治療やあざ治療によく用いられるレーザーです。
10億分の1秒でレーザーを当てます。

ピコレーザー同様、さまざまな波長のレーザーやモード(スポット以外にルビーフラクショナル、レーザートーニングなど)が選べる機器があり、美肌、肝斑などにも使います。
※筆者のクリニックにも2種類の異なるQスイッチレーザーがあり症状によって使い分けています👍️
ピコレーザーの方が最新ではありますが、実はQスイッチレーザーの方がいいケースもあり、あえてQスイッチを選択する先生やピコとQスイッチ両方持っている先生もいます☺️どのレーザーも使う医師次第だったりします。

メリット:濃いシミや厚みのあるシミがしっかり取れる
デメリット:副作用がピコに比べると強く出る、薄いシミが苦手(反応しない)
なぜ、レーザーの照射時間を短くするのか?
それは、周囲の組織にレーザーの影響を出さないようにするためです。お肉を焼くとき、長時間焼くと、熱を当てている部分(フライパンに当たる部分)以外のところにも熱が波及して焼けてしまいますね。レーザーの場合、熱を当てたい、と思ったところ(病変)以外には熱は広がってほしくないんです。だから短時間で当てる機械のほうが副作用が少ないのです。

IPL(フォトフェイシャル)

IPLは光治療とも言われます。
レーザーよりもパワーがマイルドなので、顔全体に当てることができ、肌全体のくすみや意識していないくらいの小さなシミなどもキレイにしてくれます。
その代わりに、1回でキレイに、とはいかず、だいたい1ヶ月毎に半年~1年継続することで徐々に改善させます。

メリット:いろんなお悩みに有効、ダウンタイムがほぼない
デメリット:繰り返しの治療で効果はジワジワ
レーザーと光の違い
レーザーは使用される波長が1個です。例えば筆者のクリニックではQスイッチレーザーの1つの機械は波長694nm、もう一つは532nmまたは1064nmのレーザーが出ます。逆にそれ以外は出ません。
IPLは機械によって異なりますが、例えばノーリスという機械の530というフィルターを用いると530-750nmと幅があります。これのメリットはいろんなお悩みに効果を発揮するという点です。回数はかかりますが、シミ・赤み・ハリなどが改善し肌全体が均一でキレイになっていきます。

ニードルRF

ニードルRFは比較的新しい機械ですが、肝斑への効果が頭一つ飛び抜けておりぜひ紹介したい治療です。
髪の毛よりも細いハリを用いて肝斑の原因がある皮膚の深い層(基底膜や真皮)にRF(ラジオ波)による熱を加えて、メラニンを作りすぎる肌を正常な機能に戻します。
これまでの機械では、皮膚の上から働きかけるのみでしたが、ニードルによって深いところにあるメラノサイトやその周囲の機能異常に的確にアプローチできます。

メリット:肝斑に対して効果が高い
デメリット:一部適応にならない肝斑もある、日光黒子・そばかすには無効

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは表皮のメラニン排出を促進する作用があります。
中でも真皮にも作用するマッサージピール(リバースピール)などは、レーザーなどの機械ではどうしても悪化させてしまいそうな、肝斑の治療困難例でも安全に治療でき、よく用いられます。

メリット:不安定な肝斑にも有効
デメリット:効果がゆっくり

導入系治療(イオン導入/エレクトロポレーション)

肌に必要な栄養をぎゅぎゅっと押し込んでくれるイメージ。他の治療に組み合わせて行うこともでき、その治療の効果を最大限に引き出し、トラブルを抑えてくれます。
肝斑やくすみに対しては単独でも高い効果が出ることもあり、やって損はない治療です。

メリット:リスクがほぼない、乾燥や炎症にも有効
デメリット:日光黒子などには単独では効果がない

シミ治療の効果と治療回数の目安

1回で効果が出やすい治療

ピコレーザー(スポット/日光黒子やそばかすに対して)
Qスイッチレーザー(スポット/日光黒子やそばかすに対して)

複数回の施術が必要な場合

IPL(そばかす、日光黒子に対して)
シルファーム(肝斑、くすみに対して)
エレクトロポレーション(肝斑、くすみに対して)
トーニングやフラクショナル(ピコ・Qスイッチ|肝斑、くすみに対して)

治療前に知っておきたい注意点

副作用やダウンタイムについて

それぞれの治療に副作用があります。
また、かさぶたができたり、絆創膏や塗り薬が必要なダウンタイムも。
必ず事前に医師に確認して、万が一大きな副作用がでた場合の対処法なども聞けるとよいでしょう。

紫外線対策の重要性

どの種類のシミでも治療でも、絶対に紫外線対策は必要です!
紫外線対策だけでも良くなってしまうこともあり、反対にいくら治療しても紫外線を浴び続ければすぐに元通りになってしまったり、強く副作用がでてしまったりします。

シミ治療はどこで受ける?皮膚科 vs 美容皮膚科

皮膚科でもレーザーやIPL、飲み薬、塗り薬の取扱いがあるクリニックもたくさんあります。しみがあっても、肌状態が安定している場合はこれらの治療でも十分改善が期待できるでしょう。

ただし、もし不安定な状態の場合、少しの刺激で逆に悪化してしまう方も…この場合は複数の機器や薬から最適な治療方法を組み合わせる必要がどうしてもあり、美容皮膚科がいいでしょう。

また、「しみを取りたい!」という要望だけでなく「透明感が欲しい」「若々しい均一な肌にしたい」などトータルケアを望む場合、細やかなケアが必要になりますので、やはり美容皮膚科のほうが適切です。

肌が安定しているか、不安定か
これは非常に見極めが難しいです。美容皮膚科で様々な機器を持ち合わせて日々シミと向き合っていても困難なケースに出会うこともあります。それでも一旦悪化してしまってもリカバリーできるような方法を持ち合わせているということはとても重要です。

まとめ|自分に合ったシミ治療を見つけよう

今回はシミの種類とシミでカウンセリングに行ったときに、紹介される可能性が高い治療について解説しました!

これだけ知っていたらきっとカウンセリングで頭に「?」が浮かぶことは少ないハズ!

この記事によって受診の敷居が少しでも下がってくれたら嬉しいです✨️

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参考文献

1)葛西 健一郎.『シミの治療:このシミをどう治す?』文光堂,2015年.
2)河野 太郎(編). 『皮膚科医・形成外科医のためのレーザー治療スタンダード — 確かな治療を行うための知っておくべき知識と正しい手技』. 羊土社, 2017年.

執筆・監修者紹介

執筆者 鷲見侑里子

【執筆】

医師 鷲見 侑里子
藤田医科大学医学部卒業
美容皮膚科医として10年以上の経験。
最新の知見に基づき、美容医療をわかりやすく解説します。

監修者 佐々木良輔

【監修】

院長 佐々木 良輔
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
あつた皮ふ科・美容皮膚科クリニック理事長。
専門的な視点から内容を監修しています。

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